認定スクラムマスターを目指してよかったと実感したこと3選
こちらは、Mavs Advent Calendar2023の24日目の記事です!
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こんにちは、タロウです。
今年、30代に達成したいことの1つであった認定スクラムマスターへの合格を無事達成できました!
業務で絶対に必要だったか、会社から求められていたかというとNOに近いですが、2年近くプロジェクトをスクラムで進めており、より良くしていきたいといろいろな本を読んでは試しで進めていたところ、認定資格があることを知り目指すことにしました。
取得自体20万ちょっとと決して安い金額ではないため、ややハードルが高いですが、それ以上の価値を得ることができたと感じています。
3つの得られた大きなこと
- 常に同じ方向を示すことへの重要性
- 状態の共有認識と日々の点検
- 阻害要素の排除
3つに分けて背景とどうなったかを書いていきたいと思います。
もし読んでくださる方がいらっしゃれば・・気になった部分まで飛ばしても大丈夫です!
※一部でスクラムマスターのあるべき姿と少し異なる部分があります。小規模組織のプレイングマネージャーとして避けられない状況であったと理解していただければと思います。
※スクラムの用語を汎用的なワードに置き換えて表現しています。
※細かな研修内容や受講の仕方などは触れていません。
常に同じ方向を示すことへの重要性
それは昔、プロジェクトマネージャーになりたての頃、当初うまくいっていたと思われた大きめのプロジェクトを炎上させてしまい、大変苦い思いをしてきました。
チームがバラバラになり、各々の必要と感じるタスクを進めるようになる、収集がつかなくなった状態で方向性を示しても何も伝わりません。
(外部要因を抜かして)第一に方向性の指し示し方に問題があったと今では思っています。
プロジェクトを進める上で、全員が常に同じ方向を向き続けることが最短のゴールであり、チームパフォーマンスがベストな状態であると考えます。
スクラム関連の情報を取り入れるようになってからは、プロジェクトのゴールだけを示すのではなく、個々に対して短期ゴールと長期ゴールを設定するようになりました。
短期ゴールと長期ゴール
プロジェクトのゴールだけ伝えられて、あとは目の前のタスクを続ける。
タスクが終わったら次何をするか指示をもらって進める。
プロジェクトでよく見かける状態ですが、ゴールが迷子になりやすく頑張り続けるメンバーの士気は下がり続けます。
まずは、
- 全部でどれくらいやることがあるのかを確認
- 全て完成することがプロジェクトのゴールであることを共有
- 1週間〜2週間で何を行い、何が完成するのかを把握
- その期間にどんなイベントがあるのかを確認
これらをスクラムイベントで会話し、目下である短期ゴールの設定と、少し先の長期ゴールを設定しました。個々が常に自分のゴールを意識し長期ゴールをチームで目指す姿を作ることで、優先度や次に何をすれば良いかわからないことがなくなり、会話の内容は改善点と問題点に絞ることができました。
より実現に近づけるため、自分の作業に没頭する時間をいかに短縮し、メンバーと同じ空間で同じ時間を過ごし、メンバーへ意思を伝える機会を多くする仕組みを作ること、これらをいかに早く構築し、いかに継続していけるかに重点を置いて取り組むことができるようになりました。
自分の作業に没頭する時間を減らす
これにはいろいろなやり方がありました。
- 重要機能のコーディングや複雑な設計タスクを持たない
ヘビーなタスクを持ってしまうと、途端にフットワークが重くなりプロジェクトのことを考えられなくなります。
隙間時間がない、脳のリソースをそのタスクに全振りしてしまう、会話量を極力減らしタスク消化に時間を割けたくなる。おそらく経験した方多くいるかと思います。
その状態で前向きな会話と思考に走ることは難しいためまずメンバーに託しましょう。
(託したメンバーに対してフォローは必須ですよ!)
- ひとり時間にタスクをこなす
メンバーに方向性と意思の伝達を行うきっかけを増やすため、メンバーの出社退社時間を可能な範囲でずらしました。
1人でも消化できるタスクは早朝・または夜間、日中はメンバーと会話するためライトな業務のみにしておくことで、日中動きやすく、困りごとやたわいもない会話をするきっかけが増えます。
(会社の制度やポジションによっては制限が強いことがあるので、できる範囲で自分の進めやすい方法を見つけるのも良いと思います)
状態の共有認識と日々の点検
進めているタスクが予定通り進められているか、他のメンバーに進まない要因がないか、ゴールの認識がずれていないかを日々点検します。
意思を伝える機会を増やす
対話以外のコミュニケーションツールでの意思伝達は、文章を受け取る人によって解釈が異なったり、不明・疑問があっても言い出すことが難しいです。数十人いるチャットルームで言える方は少数派と思っています。
スクラムの仕組み上でも、アジャイルソフトウェア開発宣言でも触れられている対話により重点を置いています。デイリー・朝会昼会夕会と呼び方はプロジェクトによって様々ですが、メンバーと話ができる機会を設け、自分から方向性を伝える、ゴールを再確認することはもちろんのこと、担当者が感じた不安な事・問題に繋がりそうなことを言いやすい環境を作りました。
日々の点検
進めているタスク、優先度、追加されたタスクなど、”やるべきことを全員で点検”しゴールへの認識を再度確認します。
- 今日進めるタスクを共有してください!
- 「問題だと感じること・不安なことを教えてください!」
- 今週はここまで進めよう!
全員で点検することで、自分だけ終わっていてもチームとしてゴールに達していないことを認識することができ、ちょっとした詰まりや遅れをキャッチできるのですぐにアサイン変更や一部巻き取りに舵を切ることができました。
阻害要素の排除
認定スクラムマスター研修内でスクラムマスターの役割を学習する場面があり、プロジェクト進行を妨げる事象を排除していくのもスクラムマスターの仕事であることを改めて学習できました。
飛び込みタスクや急な依頼、プロジェクトと関係のないお願いなど、プロジェクトの進行を妨げてしまうことが多くあります。その結果メインで行うはずのプロジェクトに時間を割くことができず負荷が上がり炎上プロジェクトへと進化を遂げます。
プロジェクトに参画しているメンバーが他に何をやっているのか、そのタスクの温度感などまでプロジェクト内で共有すると同時に、阻害要素になり得るものは依頼主に調整・交渉を行う必要があります。
弊社内では業務タスクの直接依頼を無くし、必ず各案件の統括リーダーを通して依頼するようにしています。実質、スクラムマスターの阻害要素の排除すり動きを担っているためメンバーが注力できる環境を作り出せています。
そうは言っても簡単ではない
阻害要素の排除はそう簡単にできるものではないと思っており、たとえば組織上層部のリクエストであったり、メンバーの構成や社内プロジェクトの状況、社内政治などに大いに左右されるため、関係各所との密な連携が求められます。
本人が言いづらいこと・言い出しにくいことを早くに察知して、排除まではいかなくても関係各所と落とし所を見つけるのが、組織におけるスクラムマスターの重要な動きになるのかと感じます。
メンバーが働きやすく集中できる環境を作り出す役目を担いますが、同時にメンバーを守るような動きが求められるように見えます。
その分メンバーが仕事で悩み、業務調整を行うことが少なくなりビジネススキルの成長にストップがかかってしまう懸念をどうクリアしていくか、都度考え適用していくのが悩み続けるポイントなのかもしれません。
まとめ
認定スクラムマスターの資格取得にあたり、現在の組織において何が最適なのか、どうするとよりメンバーが働きやすい環境になるのか、プロジェクトの士気とモチベーションの維持に寄与するのか、このような内容を改めて考えることができるきっかけになったと感じます。
公式研修では書籍からは得られない、
- 決まりやルール以外の悩むポイント
- 同じ受講生の方と初対面の中どう一緒に課題に取り組むのか
- お互いを探りながら短時間でゴール設定を行うのか
これらを得ることができたことは十分納得な価格感であり、受講して本当によかったと感じます。
中堅社員が資格取得を目指すことに対して
学生やジュニア層のエンジニアがIPAやベンダー資格にチャレンジする背景には、
- 会社から取得を迫られる・給与が上がる、リーダーへの条件など必要に駆られて学習する
- 自分の価値を高めて、自分の力量を可視化できる
- 業務時間、プライベートともに勉強時間を確保しやすい
の大きく3つに分かれるのではないかと思います。
年数を重ねる度に業務を理由に避けるようになり、目標のない30代に突入する流れが多くあるのではないでしょうか。(そういった方を多く見てきたと思うと同時に私もその一員でした)
中堅社員の資格取得
書籍や研修、動画などメディアから様々な情報を得て、業務に活かすことが多い中、資格取得は1つの学習の区切りと思うようになりました。
区切りの基準は各々の感覚や背景により決まると思いますが、私はある程度学習し同じ媒体からそれ以上情報を得ることができないことに対して、体系的に学べる場へ進めたいと考えます。
また、上位資格には自分の知らないものがものすごくあるので、学習の区切りをつけ次の目標を設定する。そのような行動に移すことができるので、私はとてもマッチしています。(個人差とてもあり)
モチベーションを保つ1つとして何かしらのバッチや証書を得ることができるのは大きいのかなと思います。目に見えて得られるモノがあるのは誰でも嬉しいですよね。
目標を明確に文章にする
30代に達成したいことを箇条書きでずらずらと書き出しています。
常に目にみえるところに置いておき、新たにできたものをアップデートしています。
(プライベート・仕事を織り交ぜて)
ざっくりした目標でも達成するためにはどうしたら良いか?を日々考えるようになり、常に頭の片隅に置いておくことができると感じています。
せっかく目標設定しても、覚えている数週間と振り返りが近づいた数週間しか実施できなかったり、そもそも目標を立てたことすら忘れていたりととても勿体無いので、普段使用するツールの近くや”そこに目標が書かれている”とわかる場所に書き留めておくのがオススメです!
私はNotionのPrivateエリアに1ページ作成して書き込んでいます!
さいごに
なんとなく過ごす、業務で忙殺される過ごし方がとてももったいなく、常に何か自分の目標を持って進めることは悪くないと思っています。(決して意識高い系ではないと思ってる)
忙しい中にも得られるものがあったり、改善する行動から経験に変わったり、チャレンジできることはどこかに落ちているので、その小さなチャレンジを拾うことができるのも目標を持って進めるからこそなのではないか?と思います。
小さなチャレンジを積み重ねてきたこそ、大きなことを任せてもらえたり、新しい経験をさせてもらえたり充実していると感じる毎日を送ることができる一歩であることを忘れずに今後も目標達成のためにこれからも頑張りたいと思います!!