【姿勢チェックつき】理学療法士が考える 長時間デスクワークでの猫背改善
こんにちは!にしかわです。
この記事では、長時間のデスクワークでつい猫背になってしまう方へ、理学療法士の視点から猫背改善の方法を紹介します。
前回は、多くのエンジニアの方が悩む肩こり対策を紹介しました。
猫背姿勢は肩こりや腰痛とも関係が深いため、ぜひ前回の内容と併せて実践してみてください!
簡単!セルフ姿勢チェック
まず一度、ご自分の姿勢チェックをしてみましょう!必要なものは「壁」だけです。
- 普段の姿勢で壁の前に立つ
- その姿勢のまま、壁に背中を向け、踵を壁にぴったりつける
下記の箇所が全て壁についていたら正しい姿勢です:
- 後頭部
- 両肩
- お尻
- 踵
猫背だと、踵やお尻を壁につけた時に頭や肩が壁から浮いたり、踵と背中が壁につくのにお尻が壁から浮いてしまいます。
(ちなみに、腰と壁の隙間が握り拳程度ある場合は「反り腰」の疑いです…!こちらはまた別の機会に!)
猫背の原因とは?
デスクワークで猫背になる要因としては下記のようなものが挙げられます。
- デスクワークで腕が前にある姿勢 → 肩が内側に入ることで前屈みの姿勢となる
- 画面を覗き込むようにすることで頭や首が前に出る → 連動して背中が丸まってしまう
- 骨盤が後方に倒れる楽な座り方をする → 連動して背中が丸まってしまう
猫背姿勢が習慣化すると、良い姿勢をとるための筋肉が衰えたり、骨格の歪みへと繋がり、猫背や悪い姿勢をより助長させる結果となります。
早速、猫背改善ストレッチ実践!
では早速、猫背改善のエクササイズを紹介していきます!
各ストレッチは、下記に紹介する回数や秒数を単発で実施するだけでも良いですし、2-3セット行うと、より効果が出やすいです!
注意点:
全てのメニューにおいて、痛みが伴わない範囲で行います。硬い筋肉が伸ばされる感覚の「痛気持ちいい」はOKです!
ストレッチ1
普段から猫背姿勢でいると胸や前側の筋肉や組織が硬くなり、胸郭の開きが悪くなって良い姿勢が取りにくくなってしまいます。胸の前側を柔らかくすることで、良い姿勢をとるための下地を作ってあげましょう。
画像のように背中側で手を組み、無理のない高さまでゆっくりと手を挙上していきます。
ゆっくりと10回程度行いましょう。
ストレッチ2
猫背姿勢により硬くなった胸や腕の前側の筋肉を柔らかくするストレッチです。
画像のように、壁に対して手のひらを横向きに置き、胸を開くように少しずつ身体全体の向きを開いていきます。
胸〜腕の付け根、腕の前側に筋肉の伸びを感じるところで約20〜30秒/回を目安に姿勢をキープしましょう。
ポイント:
最初は、手を壁に置く位置を肩の高さ程度にすると行い易いです。血が止まる感覚や痺れる感覚があったり、辛さを感じる場合は、手を置く位置を低くする・身体を開く角度を少なくするなどして調整しましょう。
ストレッチ3
丸まった胸郭・胸椎を伸ばしながら、上半身の良い姿勢を保つための肩甲骨内側の筋肉も使うことができるストレッチです。
画像のように手は前で上半身を軽く丸めた状態から、背すじを伸ばすイメージで、肩甲骨を内側に寄せながら手のひらを外側に向けます。上記の方法で慣れてきた方は、手を頭の後ろで組んだまま、肘を開くイメージで行ってみましょう。もちろん椅子に座ったままでもOKです!
NGパターン:
腰を反らすことで背すじを伸ばすと腰痛に繋がります!腰ではなく、胸郭を開く・胸椎を反らしましょう。上半身を上下2分割したときの、下部ではなく上部を動かすイメージです。
+α:良い姿勢を保つために
良い姿勢を保つことで、身体にかかるストレスが減り、猫背を起因とする肩こりや腰痛が起こりにくくなる利点があります。そのためには、固まった筋肉をほぐし、姿勢を保つための筋肉をつけることが必要です。また、良い姿勢をサポートしてくれる道具の活用も有効です!
良い姿勢を保つための筋肉を使ってみる
肩こり改善編でも紹介した、体幹のトレーニングです。体幹の筋肉を使い体幹を安定させ、正しい姿勢を維持しやすくなります。
- 骨盤を床から垂直に立てた姿勢で椅子に座ります
- 大きく息を吸いながらお腹を膨らませます(腹式呼吸)
- ゆっくり息を吐き、限界まで息を吐き切るとお腹は凹み、下腹部に力が入った状態となるので、その状態をキープしながら通常の呼吸をします。
まずは数回でOKです!トレーニングとして練習するほか、上記3.の下腹部に力が入った状態をデスクワークの座り姿勢でも意識します。意識して行うことで、身体が徐々に無意識の中でも筋肉を使ってくれるようになってきます。
道具に頼ってみる
色々紹介しましたが、何時間も連続で良い姿勢を意識するのは大変ですよね…。机や椅子、ガジェット等の環境設定で良い姿勢をサポートすることも可能です。
- 骨盤を立てる姿勢をサポートするもの
- 座布団タイプ、クッションタイプ、椅子の上に乗せるチェアタイプなど様々な種類があります
- タオルを丸めて坐骨の下(お尻の後ろ側で少し踏む程度)に入れるだけでも効果的です!
- 良い姿勢をサポートする椅子
- ゲーミングチェアや人間工学に基づいて設計されたものなど
- 左右分離型キーボード
- 手や腕の位置を自然な姿勢に合わせて配置し、猫背や腕・肩のストレスを軽減させることが可能です
最後に
今回は、猫背改善のエクササイズをメインに紹介しました。
猫背は肩こりや腰痛とも関係が深いため、デスクワークが長い方は作業の合間に試してみてください!