Google 認定講座「サイバーセキュリティプロフェッショナル認定証」を受講してみた
はじめに
今回は私が密かに半年間受講していた「Google サイバーセキュリティ プロフェッショナル認定証」というコースについてご紹介します。
簡単に言うとGoogleが提供するセキュリティ職育成プログラムです。セキュリティは開発をしている以上どの分野にも関わるものだと思い、個人的な勉強のために受講していました。
ちなみにこの講座、半年しっかり受講(テストなどもある)すると、履歴書にかける資格証とバッジがもらえます。
それでは、この講座を知った経緯から申し込み方、どんな講座か、感想の順でまとめていきます〜!
きっかけと受講の申し込み方
きっかけはX(旧Twitter)で無料で勉強できる資格がある!的なバズりポストを見たことでした。
これは怪しいものではなく、日本リスキリングコンソーシアムと言う団体が、転職やキャリアアップを目指す人向けに行っているサービスの一環です。
他にもAWSのキャッチアップなど、魅力的な講座がありました。中には有料のものもあるため、事前に確認は必要ですが、日本リスキリングコンソーシアムという団体への登録は無料でできます。
そして期間限定で枠を設け、Googleの講座を受講できることがあります。(私の時は2023年10月くらいの応募でした)
申し込みをした後、開講日までしばらく待つ必要がありますが、開講日後はCourseraという学習プラットフォームからコースを選択することができ、講座を受講できるようになります。
このCourseraはGoogle以外にも名だたる大企業や有名大学が講座を開いていますので、興味のある方は見てみると面白いかもしれません。
講座について
この講座は基本的にセキュリティ職を育成するための講座です。受講者は基本的にIT知識があまりない方を想定しているようで、説明が丁寧でわかりやすいです。また、基礎的な知識はもちろんですが、実務を想定した実践的な内容もある程度学ぶことができます。
逆を言うと一年以上IT関係のお仕事に携わっている方は、ある程度知ってる知識の繰り返しになるかもしれません。特に上流の工程やセキュリティについて考えることがある方は、「そんなの知ってるよ」と言う内容が続くかもしれません。
講座は「セキュリティとは」という基本事項から始まり、ネットワークの仕組みやセキュリティ管理の方法、脅威となるものの種類、セキュリティ職に欠かせない各種ツールや技術(SQL,Python,Linuxなど)を学ぶことができます。
基本構成は動画、テキスト、簡単なテストの順番で進んでいきます。ツールの使用方法を学ぶ際はGoogleが提供する仮想環境でツールを動かす(SQLを実行したり、Pythonを書く)こともあります。
全部で8セクションあり、セクションごとに修了証が発行されます。
8セクション全てを終えると認定証とバッチを受け取ることができます。
また、この講座は「セキュリティ職の養成」を主軸としているため、講義の合間にGoogleの現役セキュリティ職のモチベ爆上がり動画が挟まれたり、就活の際のポイントについて動画があるなど、ただ技術を学ぶだけの講座では得られないものがあったように感じます。
印象的だった講座内容
ネットワーク系の話
基本的なネットワークの仕組みを解説してくれる講座が3番目にあり、それがとてもわかりやすかったです。
Googlお手製の動画なので、その辺の教本よりもわかりやすい印象があります。普段のWeb開発では特定のネットワークにしか触れないため、ネットワーク全体を理解するのにとてもいい機会でした。個人的には基本情報の資格勉強で扱うネットワークとセキュリティの分野を合体させた講座になっているなと感じたので、これから基本情報を受験する方にとっても有益な講座になっていると感じました。
コマンドラインとSQL操作
セキュリティ職はコマンド操作やSQL操作も必要であるため、講座の4番目ではLinuxの概要説明、コマンド操作、SQL操作の講座を受講することができます。コマンド操作とSQL操作については、Googleの仮想環境でいずれも実行しながら学べるため、実践的にこれらを習得することができます。
Pythonの練習
Pythonを扱い、セキュリティ色で扱う事務処理等を簡素化するプログラムを構築する練習が7番目の講座にあります。こちらもGoogleが用意してくれた仮装環境で手を動かしながら学ぶことができます。本当にプログラムを書いたことがない方の受講を想定しているので、複雑な処理とはまではいきませんが、基本的なPythonの動かし方を学ぶことができたので個人的にはよかったです。
改善して欲しいと思った点
元のテキストが英語であるため、問題文やテキストの翻訳が一部乱れている箇所が散見されました。また、動画はすべて英語音声のため、字幕をみるか動画下にある字幕本文を読む必要があります。(当たり前ですが英語のリスニング力は上がりませんでした。)
日本語の完全翻訳だったらもより理解度上がりそうだなと感じましたが、無料なので高望みはできませんね。
個人的おすすめ度合い
ITに全く触れたことがなかったり、業界一年目であれば得られるものは多いと感じました。
コードを書くプログラマだと、セキュリティに実務で触れる機会は少ない場合も多いため、この機会に体系的に学んでみるのもありだと思います。また、今後設計など上流のフェーズに関わりたい方はセキュリティの知識は絶対に持っておくべきだなと感じます。
私個人としてネットワークの仕組み等をGoogleのわかりやすい動画や図で学べるのでとても有益だと感じました。逆に業界にある程度身を置いている方が詳しくセキュリティを学ぶ場合は、もう少し専門的なコースを受講した方がいいのかなという肌感です。
さいごに
今回は「サイバーセキュリティプロフェッショナル認定証」の簡単な概要と個人的な感想をまとめました。
正直、この講座のポストを見ていなければ、日本リスキリングコンソーシアムという組織も知らなかったし、貴重な学習機会を見逃していたところでした。(Xのバズポストに感謝)
講座としては、動画、テキスト、簡単なプラグイン(GUI操作のアクションがある練習問題)、テストという流れで、一つ一つが短いものに設定されているので、隙間時間に学びやすいと思いました。
私も昼休みや晩御飯食べた後少し、のように隙間の時間を活用して半年受講しました。
本気を出せば三ヶ月くらいで終わらせることもできると思います。
個人的に本講座を通して、Googleは人を育てるのが上手な会社なんだなぁと思いました。
そして人が育つ環境が企業に与える影響を理解しているからこそ、このような取り組みに熱心なんだなとも感じました。
そんないろいろな学びをくれた講座、気になる方はチェックしてみてください。
それでは〜!